アメリカ・ロサンゼルスで、ずっと乗ってみたかったものに乗ってきました。自動運転タクシー、Waymo(ウェイモ)です。Google系会社が運行する、完全無人のロボタクシー。運転席に誰も座っていない車が、街を普通に走っているのです。
結論から言うと、未来はもうここまで来ていました。ニュースの中の話だと思っていたものが、すでに生活の一部として動き始めている。その驚きを、できるだけそのままお伝えしたいと思います。

呼び方は、普通のタクシーと同じ
使い方は、びっくりするほどシンプルでした。専用アプリ「Waymo One」をスマホに入れ、出発地と目的地を入力して、リクエストを押すだけ。配車アプリで車を呼ぶのと、まったく同じ感覚です。

数分後、ハンドルに人がいない車が、すうっと目の前に止まります。ルーフの上のセンサーがゆっくりと回転していて、「ああ、ちゃんと自分のことを見ているんだな」と感じる。初めてだと、この時点でもう少し感動してしまいました。
ドアを開けた瞬間に、未来が始まる
ドアの解錠は、アプリのボタンひとつ。乗り込むと、ハンドルがひとりでにゆっくりと動いています。運転席は、当然ながら空っぽ。助手席にどうぞと言われても、なぜか乗るのに少しだけ勇気がいる、不思議な感覚でした。
シートベルトを締め、画面の「Start Ride」をタップすると、車がゆっくりと動き始めます。無音。完全に静かです。こんなに静かな車内は、初めてかもしれません。誰もいない運転席を眺めながら、街へと滑り出していきました。

運転が、想像以上に丁寧
走り出してまず感じたのは、運転の丁寧さでした。加速はスムーズで、急ブレーキは一切なし。交差点で歩行者を見つけると、しっかり止まる。車線変更も、無理をせず、ウインカーをきちんと出してから行います。正直なところ、そこらの配車サービスより、よほど安全運転でした。

もちろん、たまに判断に迷う場面もあります。工事中の道路や、少し変な動きをする歩行者の前では、人間より慎重に停止する。でもそれは「危なっかしい」のではなく、「念のため」止まっている感じ。乗っていて怖い瞬間は、一度もありませんでした。
窓の外を見ながら、考えたこと
窓の外を流れていくのは、いつものロサンゼルスの風景です。けれど車内の体験は、もう普段のタクシーとはまったく違う。運転手と話す必要もなく、チップを気にする必要もなく、ただ目的地まで運ばれる時間だけが、静かに流れていきます。
これが当たり前になる日は、たぶんそう遠くないのだろうな、と感じました。特にアメリカのように国土が広い場所では、自動運転との相性の良さも納得です。
料金と、乗れる都市
気になる料金は、ざっくり言うと、一般的な配車サービスと同じか、少し高いくらい。特別に安いわけでも、高すぎるわけでもありません。夜に呼んでも料金が変わらないのは、ちょっと嬉しいポイントでした。
そして何より、知らない街で見知らぬドライバーの車に乗る、という不安がない。これは旅行者にとって、それだけで価値があります。Waymoは現在、フェニックス、サンフランシスコ、ロサンゼルス、オースティンなど、アメリカの限られた都市でサービス中。次のアメリカ旅行で、観光体験のひとつとして組み込む価値のある乗り物です。
SFが、日常になりつつある
Waymoに乗って思ったのは、これがもうニュースの中ではなく、生活の中に入り始めているということでした。運転席に誰もいない車が、何事もなく交差点で止まり、ハイウェイに合流していく。それを日常としてやっている都市が、もう存在している。

私は普段から「未来は思ったより早く来る」と考えているのですが、今回のWaymoは、その言葉を静かに裏付けてくれました。運転手がいないことに、ものの五分で慣れてしまった自分にも、少し驚いたのでした。
