北朝鮮の首都・平壌を訪れたときの様子を記録しました。日本からはなかなかイメージしづらい国ですが、実際に訪れてみると、ニュースやドキュメンタリーだけでは分からない“街の空気”のようなものが確かに存在します。今回は、中国・北京から高麗航空に乗って平壌へ向かい、市内の地下鉄や街の交通、そして人民大学習堂までを歩いた様子をお伝えします。
北京から平壌へ — 高麗航空で向かう北朝鮮
旅のスタートは中国・北京。ここから北朝鮮の国営航空会社「高麗航空」に乗って平壌へ向かいます。北京から平壌まではおよそ1時間半ほどのフライト。距離としてはそれほど遠くないのですが、向かう先は日本とは大きく異なる社会を持つ国。飛行機に乗り込むときには、どこか特別な場所へ向かうような緊張感がありました。

高麗航空は世界的にさまざまな評価を受ける航空会社でもありますが、実際に搭乗してみると、ごく普通の国際線という印象でした。短いフライトののち、飛行機は無事に平壌へ到着。空港に降り立った瞬間から、いよいよ北朝鮮の旅が始まります。
地下深くへ続くエスカレーター — 宮殿のような平壌地下鉄
平壌に到着してまず訪れたのが、平壌地下鉄です。この地下鉄は、世界でも非常に深い場所にあることで知られています。駅の入り口からホームへ向かうエスカレーターに乗ると、その深さに驚かされます。とにかく長い。日本にも長いエスカレーターはありますが、ここまで深いものはなかなか見かけません。

ゆっくりと地下へ降りていくと、そこには想像していた地下鉄とは少し違う空間が広がっていました。シャンデリアが吊るされ、壁には大きな絵画が飾られています。地下鉄の駅というより、どこか宮殿のような雰囲気。構内には音楽も流れていて、独特の静かな空気が漂っていました。
市民の足として機能する地下鉄
地下鉄には多くの市民が利用していて、観光用の施設というよりも、しっかりと日常の交通機関として機能していることが分かります。車両は東欧の地下鉄に似たデザインで、古いながらも重厚な雰囲気。車内には多くの乗客が乗り込み、落ち着いた空気の中を移動していきます。

車両の前方には、北朝鮮の指導者である金日成主席と金正日総書記の肖像画が掲げられていました。こうした光景も、この国ならではの特徴のひとつです。数駅移動すると、地上の平壌の街へと出ます。
平壌の街で見かける、独特の交通風景
平壌の街を歩いていると、日本とは少し違う交通の風景が目に入ります。交差点には信号機もありますが、女性の交通整理員が手信号で車を誘導している場面が多く見られます。旗やホイッスルを使いながら、きびきびとした動きで交通をコントロールしていました。

街の中ではトラムやトロリーバスも走っています。平壌市民の主な交通手段は、地下鉄、トラム、トロリーバスといった公共交通機関が中心のよう。特にトロリーバスの停留所には多くの人が並んでいて、市民生活の重要な足になっていることが伝わってきました。
平壌を象徴する、巨大な銅像
平壌市内では、金日成主席と金正日総書記の巨大な銅像がある広場も訪れました。広い広場の中央に立つ銅像は、近くで見ると圧倒されるほどの大きさです。観光客だけでなく地元の人々も訪れていて、静かに写真を撮ったり、敬意を示したりしていました。北朝鮮という国を象徴する場所のひとつと言えるでしょう。

人民大学習堂 — 平壌の巨大図書館から街を一望
続いて訪れたのは、平壌の中心部にある「人民大学習堂」です。ここは北朝鮮の国立図書館にあたる施設で、非常に大きく立派な建物。内部には多くの教室や閲覧室があり、市民が学習できる場所として利用されています。館内では、コンピューターを使って資料を検索する人や、机に向かって勉強している人の姿も見られました。

建物の屋上に上がると、平壌市内を一望することができます。広い道路と整然と並ぶ建物、その間を走る車やバス。想像していたよりも多くの車が走っており、日本車も多く見かけました。
実際に歩いて感じた、平壌という街

平壌の街を実際に歩いてみると、テレビやニュースで見る印象とは少し違う部分も感じます。地下鉄に乗る人々、バス停で並ぶ市民、図書館で勉強する学生。そこには確かに日常の生活が存在しています。
もちろん、日本とはまったく違う社会制度や文化もありますが、実際に訪れてみることで見えてくる景色もたくさんありました。ニュースだけでは分からない街の様子を、自分の目で記録できたことは、とても貴重な経験でした。
